ティファニー(TIFFANY&CO)は、リンカーン大統領の就任式に用いられた宝石類や、南北戦争を指揮したグラント将軍・シャーマン将軍の剣、黒船で日本を訪れたペリー提督の身につけていた装飾品など、歴史的な人物へも製品を提供し、アメリカ近代史を飾ってきました。
1867年のパリ万博では、アメリカ企業として初の優秀賞を獲得するなど、名実ともにアメリカを代表するジュエリーブランドとなっていきます。
南アフリカのキンバリーで発掘された、世界最大級のダイヤモンドや、フランス王室の宝飾品を購入したチャールズ・ティファニーは「キング・オブ・ダイヤモンド」と呼ばれ、アメリカのみならず、ヨーロッパにもその名が広がりはじめました。
宝石の重量基準「カラット」の提唱や、アメリカのプラチナ純度基準への採用、現在も1ドル紙幣に描かれる印章デザイン、ホワイトハウスで使用される食器制作などなど、現在のアメリカ、いや世界の宝飾界に、多大なる影響を及ぼしているといっても過言ではないでしょう。
画期的な6本爪のセッティングで、ダイヤモンドをもっとも美しく魅せる「ティファニーセッティング」のダイヤモンドは、1886年に誕生して以来、世界中で愛され続けています。
そして、ティファニーは着実に社会に浸透し、19世紀末には諸国王室・皇室御用達のジュエリーブランドとなりました。特に、パールにまつわる逸話が多いため、パールはティファニーを象徴するものとして認識されていますね。
1955年、ウォルター・ホービングが経営権を買い取り、3代目の経営者となると、彼は、ビーンズ等の代表作を生む立役者となります。
1955年には、天才ジュエリー・デザイナー、ジーン・シュランバーゼーがデザイナーに就任し、サファイヤやエメラルド、イエローゴールドを組み合わせたコンビネーションデザインを展開させます。
エルサ・ペレッティや、パブロ・ピカソの愛娘パロマ・ピカソがデザイナーとしてティファニーに参加し、個性的でエレガントなコレクションの数々は、今なお、多くの女性に支持されています。
1996年、東京・銀座にティファニー本店がオープンすると、当時、銀座・中央通りの人の流れを変えたともいわれています。なんといっても、ティファニーの象徴ともいえるアトラス・クロックを冠し、700mもの広さを誇る大型路面店なのですから…。
